社葬の企画書(ベース)

○マニュアルの必要性

社葬・団体葬といった大型葬の施行においてマニュアル作成は必須条件となります。

1.発注先の企業。団体との共同作業になるので、相互の意思確認のため

2.多数の人間が動くので、それぞれの役割の明確化と全体の流れの理解のため

3.まちがいを発生させないため

4.仮に事故などが発生したときの対処のため

5.詳細な内容を示すことのよって発注先企業・団体の信頼と安心を得るため

 

○マニュアル作りが企画のプロセス

葬儀施行マニュアルを作るということは、葬儀施行の企画のプロセスそのものです。話し合った内容は紙に記録して、その内容に齟齬がないかを記録上で確認する必要があります。 当該企業においても、打ち合わせ担当者に必ずしも全権が与えられているわけでなく、上に了承を得る必要がでてくるため、口頭だけでなく紙の上に表現することが必要です。

企画は①方針、②全体概要、③詳細な内容の3つに分かれます。

 

○方針

当該企業の社葬に臨む方針が基本となります。大きくは次の6点に分かれます。

1.規模

①予算

②参列者数

③一般会葬者数(予測)

2.内容

①宗教形態(何の宗教に則るか、または、宗教儀礼抜きか)

②葬儀形式(葬儀式+告別式、告別式のみ、追悼会、お別れ会、その他)

③展開形式(ビデオなどを用いるか、音楽をどう使うか、など)

④設営形態(外飾り、祭壇、会場内、など)

⑤遺族、来賓の扱い方

⑥弔辞

3.性格

①基本性格(故人顕彰、企業としての感謝、遺族への慰め中心、などのうちどれをポイントにするか)

②外見(地味に、華やかに、その他)

③その他

4.主要事項

①名称(故人の肩書、名前、葬儀名)

②日時(いつ頃行うか、何時間程度か)

③場所(会社内、斎場、ホール、自宅、ホテル)

④死亡広告等の案内告知方法

⑤供花、香典の扱い

⑥会葬返礼品の扱い

5.体制

①葬儀委員長

②実行委員長

③企業側と施行側の業務の分担

④代理店等の関与

6.その他

①マスコミへの対処法

②その他

 

→方針サンプル部分は別ファイル

→概要と詳細な内容のサンプル部分は別ファイル

 

 

〇マニュアル印刷上の注意

❶大きさは統一する。

A4判に統一した場合、図画で大きいものはB4判(またはA3判)として折りこむ。

❷右開き横組が使いやすい。

図画の連続性を考えると横組も使用しやすい。

❸文字は大きめがよい。

❹修正を簡易に行うためにパソコンで自社作成し、印刷はコピーにする。

❺項目ごとにページを改める。

連続していると見にくいため、多少ページ数は増えても項目ごとにページを改める。

❻図面は1ページに1つを原則とする。

複数の図面があるとかえって見にくくなります。図面ごとに別ページにすれば差し替えが容易です。全体との関連が必要なときは、全体図を1枚つけておくとよいでしょう。

❼修正したときは全部を取り替える。

常に最新版をまとまりとして用意して全部を取り替えるようにします。更新を忘れたり古いものを使用しないよう、表紙に作成・更新日を記入して最新版を確認できるようにしておきます。

❽名前・難しい文字には必ずフリガナをつける。

 

*全体概要は相手企業に提出しますが、遺族と直接連絡がとれる場合は、相手企業の了承を得て事前に遺族側の希望も伺ったうえで作成するのが望ましい。

 

〇進行台本

❶シーン(弔辞、葬儀委員長式辞)ごとにページを改める。

❷シーンごとに時間とタイトルを記入する。

❸中は3つに区分して時間軸を合わせておく。

①主要動作(全体の4分の1大)

②アナウンスおよび主要シーン(全体の2分の1大)

③照明・音楽など演出動作(全体の4分の1大)

*BGMなど始点と終点を線で表現するとよい。

❹動作図などは挟み込みがよい。

台本に図を記入すると窮屈になるため、動作図は別紙で起こし、当該ページに挟み込みにする。

❺名前、難しい文字には必ずフリガナをつける。

(フリガナのミスは許されないので二重、三重にチェックする。)

❻アナウンス部分の文字は手元明かりの関係もあり、大きめがよい。

❼全体概要が1冊のマニュアルとして完成していれば、進行台本は式以外の部分は削除して式動作を中心としたものでもよい。(進行台本段階での修正は全体概要も修正しておく。)

❽製本形式は、ファイルへの挟み込み方式にしておくと、全体概要の必要部分をそれぞれ綴じ込めるので便利。

 

〇作業マニュアル

施行マニュアルは施行を十全に行うためのものですから、相手企業に提出するものだけでなく、施行業者が独自に行う部分についても必要になります。これが「作業マニュアル」です。これについてもきちんと作成して、作業の完璧を期したいものです。施行マニュアルとの関連で各現場責任者が作業指示書を作成し、全体との矛盾がないかを責任者が確認する必要があります。

 

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


社葬の知識

社葬(団体葬)は、企業(団体)が葬儀費用を負担するものですから、どの範囲を負担するか、そのケースについて役員会で取扱規定を決めておき、葬儀の都度これを役員会で決定し議事録に残します。

一般的には会社への貢献度により次のような規定が作られています。

1.死亡時より社葬終了時までの費用を負担する。(但し、戒名を対象とする布施を除く)

〔例〕会長・社長(退職後5年以内含む)、専務・常務(現職)

2.社葬当日の費用を負担する。(但し、布施など宗教儀礼に関する費用を除く)

〔例〕現職の役員、退職後3年以内の専務・常務、退職後8年以内の会長・社長

3.個人葬の費用のうち通夜接待費、火葬費、布施など宗教儀礼に関する費用を除いたものを負担する。

〔例〕功労のある社員で役員会が認めた者

※1.のケースで一切の費用を会社が負担するとあっても、一般的に死亡時の病院への支払い、授戒(戒名)に対するお布施、火葬費用は遺族の負担とするほうがよいでしょう。(戒名はあくまで個人に与えられるものですから、これに対するお布施は個人負担が妥当だとされています。)

 

〇お布施と領収書

社葬における宗教者への支出を企業の負担とする場合、企業にとっては領収書がほしいところですが、「お布施」は読経や葬儀執行への対価ではないので、お布施への領収書は出ないものとの理解があります。しかし、税法上は宗教法人の入金になるものですから、要請すれば領収書を発行してくれる寺院もあります。

 

〇社葬での香典の扱い

社葬は本来その費用を企業が負担するということですから、社葬で香典を受け取る場合には企業ではなく、喪家が受け取ります。香典は故人への弔意の表明という意味ですから、社葬であっても遺族が受け取るのが本来です。これに対するお礼は遺族の負担で行います。

死亡直後の個人葬では遺族が香典を受け取り、その後に行われる社葬では香典を辞退するという形態も見られますが、「社葬だから香典を辞退する」と決まっているわけではありません。会葬者が故人への弔意を表明したいとするのは自然なことですので、会計上の処理を明確にすれば問題ありません。

 

〇社葬での供花の扱い

近年、供花としては生花が多く用いられています。花環(関西では樒)は、地方では使用されていますが、全国的には場所的制約もあって減少する傾向にあります。社葬の場合には香典同様に辞退する傾向も見られますが、供花は現金ではないので入金上の問題は生じません。辞退するのは、並べ順で問題が生じかねないことや、社葬には会社が責任をもつという姿勢の現れからでしょう。

供花を受け付ける場合、その名札は芳名板に一括表示する方法が増える傾向にあります。最近では生花祭壇が増えたことから、名札付きでは祭壇全体のデザインを壊すおそれがあるという理由もあって芳名板方式が好まれるようです。並べ順で問題が生じないようにと、一括アイウエオ順に供花者名を掲示する方法がとられます。また名札付きの場合でも、正面の祭壇両側は避けて、式場の側面や入口付近に配置することが多くなってきています。

 

〇社葬の場合の社員の服装

社葬(団体葬)における当該企業(団体)の役員、社員の服装は、一般には葬儀委員長はモーニング、その他は略礼装(黒)となります。案内係などは役を示す腕章などを巻いて、一般の会葬者と一見して区別できるようにするのが望ましいでしょう。「お別れ会」方式の場合には、平服が一般的です。

 

〇他の会社の社葬に参列するときの服装

略礼服(黒)が一般的ですが、会葬者の側は遺族側と違って喪に服しているわけではないので、平服でもかまいません。喪服の用意がないからと略式に喪章をつける場合がありますが、本来は遺族側がつけるものですから参列する側は避けるのが賢明です。

 

〇参列者と一般会葬者の識別方法

参列者(葬儀式に式場に着席して参加する人)と一般会葬者の識別は、受付に参列者を識別できる当該企業の幹部を配しておきます。準備期間がある場合には、葬儀に参列していただく方には事前にカードをお渡しして、受付で指示していただくようにすると識別がスムーズです。また、受付には参列者名簿を供えておきます。受付を「葬儀式参列者受付」と「告別式会葬者受付」とに分けておく方法もあります。

 

〇社葬の葬儀委員長

社葬における葬儀委員長とは、社葬の代表責任者を表し、施主の役割をすると考えるのが最も妥当と思われます。一般に、現役の社長が亡くなった場合には後継する役員(専務が後継社長と決まっていればその専務)が務めます。中小企業などでは会長が亡くなった場合、その息子が現役社長というケースがあります。この場合には息子である社長を喪主、専務など他の役員から選んだ1名を葬儀委員長とするのが基本です。

 

〇社葬の組織編成

①葬儀委員

一般に役員がなり社葬の方針を定めます。葬儀当日は立礼(出口などで会葬者へのお礼をすること)を務めます。

②実行委員会(事務局)

葬儀委員の定める方針に従い、企画を立て準備の中枢となると共に、葬儀当日は司令部の役割を担います。コンセンサスを得やすいように人数はあまり多くなく5名前後、実行力のある中堅幹部を中心に組織します。

③広報係

連絡・通知文書、死亡広告の作成、プログラムやパンフレットの作成、マスコミ対応を行います。

④記録係

文書による記録のほか、写真やビデオによる記録を担当します。

⑤進行係

進行手順を管理します。

⑥受付係

受付業務を行います。来賓の識別などができるように幹部も配するとよいでしょう。

⑦案内係

式場内外の案内をします。

⑧接待係

来賓、親族、僧侶(宗教者)の接待を担当します。

⑨携帯品係

携帯品の一時預かりをします。

⑩式典係

献花などの式典の補助を行います。

⑪駐車・配車係

駐車場や配車の管理を行います。

⑫会計係

調達品等の会計その他を行います。

 

このほか、会葬後に会葬御礼品(粗供養)を渡すのであれば会葬返礼品係など、必要に応じて編成する必要があります。広報係と記録係を兼ねることもあるでしょう。このような組織編成については、非常時における全社的編成ですから、事前にマニュアル化しておくようアドバイスしておきたいものです。

 

〇社葬の日程の組み方

死後直後に行うケースと、日をおいて行うケースとがあります。日をおいて行うケースでは、死後直後にまず個人葬として行い、2度目の葬儀として社葬を行うことが多いようです。こちらは「社葬」とは言うものの、その実態は「告別式」あるいは「追悼式」になりますので、1ヶ月後の月命日、あるいは三十五日や四十九日に合わせて行うのも一つの考えです。近親者だけで火葬を済ませるいわゆる密葬方式をとれば、一応の準備・連絡がとれる1~2週間後あたりに骨葬形式での葬儀を設定できます。また、遺体をエンバーミング(遺体衛生保全処置)して防腐処置を施せば、遺体のままでも2週間程度の余裕が生まれます。

連絡については予め連絡先をリストアップしておくことが望ましいのですが、全てにいきわたらないこともあり、新聞の死亡記事や死亡広告の利用も考えられます。

 

〇社葬の宗教儀式

社葬では宗教儀礼の形をとるか否かは、本人の信仰した宗教に則り葬儀を営むか、公的なものから宗教によらないで営むか、という考え方の問題になります。社葬が1回目の葬儀として営まれるか、2回目かということも判断の要素になりますが、1回目であれば、死者本人の信仰に基づいて営まれるのが正当で、仮に故人が神道の信者であれば神葬祭になります。あくまで故人を弔うことが目的ですから、故人の宗旨は尊重したいものです。一方、2回目であれば、宗教儀礼を行わない、特定の宗教によらない方式も考えられます。これは会葬者を中心に据え、会葬者の信仰は多種多様であるのでこれを尊重するという考えからのことでしょう。

 

〇葬儀式と告別式

社葬では葬儀式と告別式を分けなければいけないというものではありません。しかし、会場が狭い場合には、葬儀式の部分と告別式の部分とを分けないと現実には難しいでしょう。また、宗教儀式としてきちんと葬儀式を営むのであれば分離するのが適当です。

 

〇焼香か献花か

告別の方式も、焼香か献花かどちらが適当ということではありません。全体を宗教儀式として行うのであれば、それぞれの宗教宗派に則ったお別れの方式をとるのが自然でしょう。キリスト教のカトリックでも焼香を献花と共に認めていることからわかるように、焼香=仏教ではありません。会葬者の数が読めないときには、献花よりも焼香のほうが合理的ではあります。

 

〇社葬のコンセプト

社葬は会社の責任で行う葬儀ですから、その姿勢が表れるところとなります。故人を会社としてどのように遇するかを外部に表すのですから、その姿勢をまず会社としてはっきりさせる必要があります。

❶生前に故人がお世話になったことへの感謝の表明

企業の人間として故人が、生前にさまざまな方にさまざまな形でお世話になったわけ

ですから、社葬という形で企業としてお世話になった方へのお礼をするということです。

❷故人の追悼

また、企業として、故人の会社への貢献に感謝するということです。故人の思い出や業

績を偲びます。

❸新しい関係づけ

「故人が亡き後も、会社をよろしくお願いします」と参列者、会葬者の方々にお願いすることです。

この3点を基本に、会社らしさや故人の人となりが現れる形で行うのが望ましい社葬のあり方であると思います。

 

〇遺族への配慮

社葬でトラブルが起こる可能性があるのは、遺族との関係においてです。あくまで社葬だからと遺族を無視して事を進めると、心理的な確執が生じる可能性があります。主体は会社にあるものの、遺族の意向も確かめて、あるいは決まったことをまめに報告して、けっして遺族を疎外しないよう注意する必要があります。

 

〇トップの了承

社葬の実際の準備や運営は実行委員会を中心に進めることになりますが、最初の方針決定や準備途中で重要なことは、会社のトップの方針を確認しながら進める必要があります。

社葬はあくまで会社の行事ですので、会社のトップの関心は当然のことながら大きなものがあります。担当者がよかれと思って独断で進めるのは危険です。祭壇のデザインはもとより、弔辞をお願いする人、指名焼香する場合にはその順番に至るまで、企画の都度にトップの了承を得る必要があります。

葬祭業者にすれば、打合せは実行委員会メンバーと行うケースがほとんどです。しかし、そこが最終決定機関でないことを頭に入れ、企画書の形にして、常に後で当該企業が社内で検討できる形にして提出しておくことが必要です。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


社葬の位置づけ

〇社葬(団体葬)とは

「社葬」「団体葬」とは規模の概念ではなく、運営の責任を負うのが企業(団体)であればそれが「社葬(団体葬)」です。たとえ小規模の葬儀であっても企業が葬儀費用を負担して行う場合は社葬となります。つまり、「個人葬」と「社葬」の区別は、費用負担および運営の主体が個人(遺族)であれば個人葬で、それが会社(団体)であれば社葬(団体葬)となります。社葬には大型の葬儀が多く、準備期間が必要ですから、死亡直後には遺族中心の個人葬を営み、2~4週間後に改めて社葬を行うことがあります。この場合、亡くなった直後の葬儀の費用を企業が負担し、実質は社葬でありながら、名目上は遺族が出す個人葬とすることもあります。また、中小企業のオーナーが亡くなった場合には、費用を遺族が負担し、運営は企業が責任をもつ「社葬」が行われることがあります。これは、葬儀費用が相続財産から控除されるので、費用は会社ではなく遺族が負担するほうが有利という判断から行われるもので、こういった名目的な社葬もあります。

2000年代になって特に増えてきたのが「合同葬」と「お別れ会」方式の社葬です。一般に「合同葬」方式は死亡後1週間程度以内に個人葬と社葬とが合同で行われ、「お別れ会」方式は個人葬を済ませた後に別個に行われる傾向にあります。企業(団体)が運営および費用の負担を行うのであれば、名称は変化しても社葬(団体葬)です。

 

〇「喪主」と「施主」

「喪主」は祭祀を執り行う者、または祭祀権の承継者のことで、遺族の代表者をさします。これに対し「施主」は「布施する主」を意味した言葉で、葬儀費用を負担し、葬儀を運営する責任者のことです。

社葬では企業が費用を負担し、運営の責任をもつのですから、施主は企業ということになります。個人葬の場合には一般的に喪主=施主ですが、社葬の場合には異なります。

 

〇「密葬」と「本葬」

本来「密葬」は近親者だけで葬儀を行い、広く告知や案内を行わない葬儀のことです。ですから、密葬には葬儀式はあっても告別式はありません。

社会的影響力のある人が亡くなった場合には準備や告知の必要から、死亡直後には近親者だけで密葬を行い、後日に告知や案内をして葬儀を行うことがありますが、この葬儀を「本葬」と言います。しかし、実際には「密葬」と言いながらも告知することがあり、この場合に「密葬」と呼ぶことは本来の意味からは適当ではありません。「個人葬」~「社葬(団体葬)」としたほうが誤解が少ないように思います。

 

〇「合同葬」とは

葬儀費用および運営の負担が複数の企業または団体によって行われる葬儀が「合同葬」です。例えば故人が○○会社の社長であり、かつ△△協会の会長であったとします。○○会社と△△協会が共に葬儀費用と運営の負担をして行う葬儀は「合同葬」になり、「○○会社と△△協会の合同葬」と呼びます。

近年特に増えてきた形式に遺族と会社の合同葬があります。「合同葬」は遺族(個人)のなす葬儀と企業(団体)が行う葬儀とを一緒に行うケースです。この場合、その費用と運営の責任が企業(団体)にあれば実質は社葬(団体葬)ということができます。「○○家、○○会社合同葬」と表示されます。

 

〇葬儀全体の中での社葬の位置づけ

死亡直後の個人葬(密葬)と区別して本葬として行う社葬(または最近流行の「お別れ会」)

は、まさに会社の行事として行うもので、「社会的な死の確認儀礼(告別式)」を独立させたものと理解することができます。僧侶による引導などの宗教儀礼はすでに個人葬における葬儀式でなされているのが普通ですから、本来は社葬全体が告別式であると考えるのが合理的です。こうした意味からいえば社葬を「お別れ会」という名称で行うのはおかしいことではありません。(「お別れ会」は社葬に限った概念ではなく、葬儀式と告別式を別個運営する場合のことです。無宗教というよりは宗教儀礼を伴わない形態の告別機能に重点を置いたものと言うことができます。)

 

〇社葬(団体葬)の一般的な進行

※個人葬がすでに営まれていることを前提にします。

❶遺骨の出迎え

遺族が式場に遺骨を抱いて入場するのを社員が出迎えます。

❷参列者入場

参列者を式場に案内します。

❸式典

一般に「葬儀式」と呼ばれるものです。法要や式典が行われます。

❹告別式

一般会葬者による焼香(献花)が行われます。

❺社員への挨拶

運営を手伝ってくれた社員へ葬儀委員長や遺族代表から挨拶が行われます。

❻遺骨退場

遺族に抱かれた遺骨が式場から退出するのを社員で見送ります。

 

〇「お別れ会」方式

1.宗教儀礼を伴わない。

2.形式ばらない自由な運営。

3.故人との別れ、遺族の悲しみへの共感を主体とする。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


葬儀の生前準備

〇生前準備とは

葬儀の生前準備のシステムは米国で開始されました。北米では「プレニード」と呼ばれます。葬儀について本人が生前に契約を結んでおくことです。米国では葬儀社の98%がこのシステムを扱っています。日本では1993年秋にリス(LiSS)システムが登場したのが最初です。

生前契約は、次の2段階からなります。

①葬儀の内容を取り決め、

②葬儀の費用の支払い方法を定める

しかし、日本ではその後、契約までは至らない、ゆるい予約を意味するさまざまな生前準備システムが現れ、今日に至っています。

〇生前準備が登場した背景

米国で生前契約(プレニード)が普及した主な理由には、

1.米国は日本と異なり個人社会であり、香典という習慣もなく、葬儀費用は全て遺族の負担となること

2.葬儀によって遺族に経済的負担をかけたくないとする人々が増えたこと

3.葬儀の仕方に自分の意思を生かしたいとする人々が増えたこと

の3つがあげられます。

一方、日本は米国と比較すると共同体社会であると言われてきました。葬儀においても共同体(地域という地縁、企業という社縁、親族という血縁)の力が強く、その運営方法も故人の意思よりはとかく共同体の意思が優先されるものでした。また、費用も「香典」という習慣により賄われる部分が多いのが特徴です。

こうした社会的変化を背景として、米国と同様に「子供に頼れない」「子どもに迷惑をかけたくない」「死後のことにも本人の意思を反映させたい」とする考えをもつ人が、高齢者を中心に増加する傾向にあります。

これらが日本においても生前準備システムが登場し始めた原因と考えられます。

調査によると約3割の人々が生前準備システムに関心があるとされ、実際に契約に至るケースはまだまだ少ないものの、今後のシステムとしてすでにさまざまな生前準備システムが登場しており、注目を集めています。

〇生前予約・契約で注意すること

生前予約・契約は「いつとは定まっていない将来に対する契約」ですので注意することがいくつか存在します。

1.更新についての規定があること

契約内容については、将来において本人の意思が変わることもありますし、料金が変動

する可能性もあります。「5年おきに更新する」などの規定が必要です。また、解約の自

由が保証される必要があります。

2.できるだけ家族の同意を取りつけること

本人の意思だけでは、実際の施行にあたり家族とのトラブルを生じかねません。できるなら約にあたり家族の同意をとりつけることが望ましいところです。

また、家族と意見が対立していても、本人があくまで自らの意思を通すときには、葬儀の生前契約を公正証書にしておく必要もあります。

3.費用の支払いは施行後にすること

契約時に費用の前払いを受けることは望ましくありません。企業の将来は未定ですから将来の保証を安易に行うべきではありません。支払いは将来の施行の終了後に受ける必要があります。

4.支払い原資の確認をすること

契約の対価としては、保険、預貯金、不動産売却などがありますが、保険または預貯金による、目的用途を明らかにした原資の確認が必要です。本人からではなく、家族から支払いを保証する約束を取りつけることも考えられます。

5.契約を明確にすること

特に将来におよぶことである以上、口頭による信頼ではなく、文書による明確な契約が必要です。これは消費者および業者双方にとって必要なことです。もちろん将来保証できないことまでを内容に盛り込むといった責任のない契約はできません。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


顧客獲得システム

〇顧客獲得システムの種類

葬儀業者は、古くは「待ちの商売」と言われ、広告宣伝や営業は行わないものとされていました。戦後、互助会が誕生し、会員募集という形で「営業」が行われるようになりました。それと共に、町内会活動への協力や病院営業といった葬祭業者による営業も細々ながら行われるようになりました。地域の老人会活動との提携もよく行われるところです。

こうした従来の営業に加えて、近年盛んになってきているのが、会員システムと企業・団体契約です。

会員システムは、5千円なり1万円なりの入会金を支払って会員になると、本人または家族で亡くなる方が出た場合、葬祭費の割引を受けられるというシステムが基本です。また、保険(生保、損保、養老など)や銀行などの定期預金と連動した会員システムもあります。

企業・団体契約は、企業あるいは団体と葬儀社が契約するもので、企業・団体の福利厚生の一環として、当該企業・団体の構成員(あるいはOB)およびその家族の葬儀があったとき、割引または標準葬儀を行う契約をするものです。

〇会員システムの注意点

会員システムには、本格的なものでは生前予約から、よりゆるやかな形態のものまで各種ありますが、これを展開する際に注意することは次の点です。消費者契約法が施行され、消費者に対する説明、内容を理解しての同意が今まで以上に大切にされる社会になってきました。

1.誇大広告・宣伝を避けること

会員特典を強調するあまり、誇大広告・宣伝にならないように、正確な広告・宣伝を

行うことに注意する必要があります。

2.得点を明らかにすること

会員特典の内容を明確にしたうえで入会してもらうことが必要です。例えば割引を行

う場合、何の費用のどこまでの範囲を対象にして割引をするのかなどについて、明確な

理解を得たうえで行う必要があります。

3.入会者へ会員の自覚を喚起すること

あいまいな入会条件ですと、会員がはたして入会しているのかどうか忘れてしまうこ

とがあります。会員証の発行や時には会報を発行するなどして、会員であることの自覚をもってもらうような、入会後のフォローも必要です。

4. 特典の変更があるときは告知すること

会員特典の変更は、入会時の契約の変更にあたりますので、告知の徹底を図る必要があ

ります。特に条件が前より悪くなるときには、告知のうえ、再契約する必要が生じます。

5. 預かり金がある場合に保全を万全にすること

共済や役務の保証などで預かり金がある場合には、事業者は将来の保証のため保全を万全にしなければなりません。

なお、会員の解約の自由も明記する必要があります。

〇企業・団体契約の注意点

企業・団体契約の際の注意点を次にきします。

1. 契約書を作成すること

条件を明記して契約書を締結する必要があります。契約は自動更新方式よりも期間を明記したほうがよいでしょう。時間の経過により条件の変更も生じますし、変更手続きを明確にするほうが企業側の自覚も明確になります。

2. 契約条件を明確にし、構成員への定期的な告知をすること

契約先の企業や団体に対し、契約条件、特に葬儀施行にあたっての条件を明確にすると共に、その内容を企業・団体の構成員に告知できるよう契約条件に盛りこむことが大切です。企業・団体契約は、いわば関節契約ですから、こうした契約があることやその条件について構成員が熟知していないと所期の目的が達成できません。社内報への掲載、パンフレットの配布などを定期的に行う必要があります。

3. 施行後に企業・団体へフィードバックをすること

契約に基づいて、構成員の葬儀を施行した場合には、企業・団体の担当部署に報告し、その評価を受けることが大切です。契約どおりの施行がなし得たか、満足を得たかの評価を受けて、今後の施行への参考にすると共に、施工実績を示すことによって、今後の利用を促す効果があります。

4. 不当契約にならないよう注意すること

間接契約ですから、実際に施行するかどうかは当該喪家が決定する自由をもちます。構成員が他の業者へ依頼する権利を損なったり、著しくその選択権を制限したり、著しい過剰サービスによって不当競争になったり、客観的に事実と証明できないような特典を揚げたりしないよう注意する必要があります。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


海外の葬儀事情

日本国内においても、沖縄から北海道まで葬儀の風習はさまざまです。同じ宗教であっても、地域により葬儀の仕方は必ずしも一様ではありませんし、死者に対する扱い方も異なります。私たちが諸外国の葬儀を考えるとき、相手を理解する立場で接する必要があります。日本の葬儀習慣を強制することは国際摩擦を引き起こす原因にもなりかねません。

 

〇葬儀業を囲む環境変化

東アジアでは儒教の影響が強く、手厚い葬儀が行われますが、その1つ韓国では1969年に冠婚葬祭などの儀礼の簡素化を規定した法律が施行されました。その結果、葬儀社が出現し、葬祭業者の組織化も進みました。中国においては、国が殯葬改革を進め、葬儀の近代化、火葬の推進に精力的に取り組んでいます。欧州では、欧州共同体の動きに合わせるかのようにして、葬祭業者が国境を越えて活動するようになっています。

全世界を見渡せば、まだまだ地域共同体による葬儀が多く、葬祭業者の確立を見ないアフリカ、アジア地域や、公営が多い東ヨーロッパ諸国などもあります。しかし、近代化にともなって葬祭業者の確立が図られると共に、各地で業界団体の組織化が進行しており、公的な資格制度を採用する国もふえつつあります。それまで社会的地位が高くなかった葬祭業者の地位向上に向けての努力が盛んに行われており、IFTA(イフタ、International Federation of Thanatologists Association 国際葬儀連盟)など国際的な葬儀業者の協議団体も組織され、国境を越えた取り組みもいっそう活発になると予想されます。

 

こうした中で、欧米の業者を中心に葬祭業の業務範囲の拡大と質の変化が課題となっています。葬儀の準備とその施行という狭い範囲の業務にとどまるのではなく、埋葬や火葬に必要な書類や死亡した病院での手続き、保険金の請求業務の助言や代行、遺体の長距離・国際間移送、エンバーミングなどの遺体処置、生前予約、遺族のカウンセリング、火葬業務、墓地経営など、死によって引き起こされる一切の業務について遺族の相談にのり、必要な手続きを代行するという、総合的な業務をするよう変化しつつあります。

また、こうした業務範囲の拡大にともなって、近代企業への脱皮がなされ、経営学の知識、コンピュータ利用法といった近代経営に必要な知識や技術はもちろん、葬儀の歴史や倫理、心理学、病理学・細菌学・解剖学などの医学、葬儀に関連する法規など、業務に関連する専門的知識、技術の習得が求められるようになり、そのための教育機関も現れています。また、葬祭業の社会的な役割が強まることによって必然的に強化されるのが社会的な責任です。企業として納税義務があることなどはもちろん、消費者保護や災害時における救援活動などは葬祭業者が自覚的に取り組むべき課題となっています。

 

〇イスラム文化圏の葬儀

近年、中近東から来日する就労者や就学者も増えており、イスラム教徒の葬儀習慣を知らないために、遺体を火葬に付して問題になったこともありました。国や民族により違いはありますが、イスラム教国の諸国においては宗教が生活の中に深く根ざしており、死に対してもイスラム教の教えが強く影響しています。

イスラム教では、死はアラー(神)に定められたものであり、死者はやがて来る裁きの日に復活するまで待機のときを過ごす。周囲の人々はこれを落ち着いて受け止め、過度に嘆き悲しむことなく速やかに死者を見送る必要がある、としています。したがって、当日もしくは翌日には埋葬され、火葬は固く禁止されています。復活の日に「五体満足」である、また、火で体を焼くのは煉獄に落ちた者への罰である、と説明されています。

まず遺体は、ムスリム(イスラム教徒)の仲間によって水で清められ、白布に包まれ、棺または台に載せられ、男性だけによる葬列を組んで墓地へ行きます。都市部では、郊外の墓地まで遠いため、霊柩車も使用されます。途中にモスク(イスラム教の礼拝所)があると立ち寄って拝礼し、葬列に出合った人は起立して見送ります。墓穴には白布のまま埋葬されることが多いようです。墓標を高く建てることは少なく、埋葬跡には石を置く程度です。服喪は基本的には3日間で、この間に弔問を受けます。弔問の主たる目的は死者の身内を慰めることにあります。死者や墓は粗末にはしませんが、過度に賛美したり、大げさに弔うことはしてはいけないとされます。エジプトなどの都市部では葬祭業者の存在も認められますが、信仰を同じくする仲間により葬ることが原則となっています。

 

〇北米の葬儀事情

北米では、葬儀社に就職するにしても経営するにしても、見習いは別として、資格が必要です。資格には連邦政府資格と州政府資格があり、州によりその必要な資格が定められています。

資格はフューネラルディレクターとエンバーマーの2つに分かれており、フューネラルディレクターは、通常はエンバーマーの資格も併せて保有しているケースが多いようです。 エンバーマーはエンバーミング(遺体衛生保全、遺体に対する消毒・防腐・修復・化粧の処置の総称)の技術者、フューネラルディレクターは葬儀全般の担当者で、消費者との対応は全てフューネラルディレクターの業務です。

この2つの資格を得るためには、原則として1年以上の葬儀専門学校(または大学の葬儀学部)での履修の後、1年以上の実習を経て試験を受け、合格しなければなりません。また、資格の更新も必要で、1回合格したら永久に有資格者となれるわけではありません。 エンバーマーになるためには、化学、細菌学、解剖学、病理学を学び、薬品や遺体処置に必要な医学的知識および処置の技術を習得します。フューネラルディレクターになるためには、医学関係の知識などに加えて経営実務、社会学を学ぶと共に、葬儀の歴史などの専門的知識および遺族に対応するために必要なカウンセリングや心理学についても学びます。北米の葬儀はまずエンバーミングから始まります。病院などで亡くなった遺体は日本の斎場にあたるフューネラルホームに運ばれます。遺族の9割以上がエンバーミングを望む米国では、遺族の依頼、同意の下でエンバーミングが行われます。この間、フューネラルディレクターは遺族に棺など必要な葬具を提示し、実際に見せ、葬儀をどう行うかを相談し、費用を見積もります。どんな音楽をしようするか、どのような花を使うかなども細かく相談しますが、このとき、フューネラルディレクターは遺族に対して情報は公開するものの、どのサービス、どの物品を選択すべきかを勧めてはいけない、と法律で定められています。(消費者の選択権確保)

葬儀の実質的な中心は、日本の告別式にあたるビューイング(またはビジテーション)です。エンバーミングが済み、棺(キャスケット)に横たわった遺体と告別に訪れた人々が一人一人一定の時間内でお別れをします。宗教的な儀礼は、フューネラルホーム内のチャペルでの葬儀式、墓地での埋葬式が一般的です。フューネラルディレクターは、埋葬あるいは火葬までの葬儀の運営、手続きの代行を行うほか、葬儀後の遺族を訪問し、その悲嘆のケアも担当します。

米国ではサナトロジー、デス・スタディと言われる死や遺族の非嘆を扱う学問も発達しており、この学問成果を活かすことにも熱心です。また災害時は、フューネラルディレクターやエンバーマーが、警察、消防、医師などと共に、緊急派遣の一員に組み込まれており、死者の遺体処理、搬送を担当するなど、その社会的責任は重いものがあります。葬祭業者は専門家として社会的な地位を高めていると共に、消費者運動が活発で、消費者の強い監視の下にあるということも米国の葬祭業を囲む環境の特徴となっています。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


遺言

「遺言」は通常「ゆいごん」と読みますが、法律的には「いごん」と言います。自らの財産などを自らの死後どうするかについて、生前定めておくことを言います。

遺言と似たものに「遺書」がありますが、法律的には効力をもちません。これに対し遺言は、有効となる内容と形式が全て法律で定められているものです。

遺言として法的に有効なのは、主として財産に関する事項ですが、その他、相続人を廃除したり、子の認知をしたり、未成年者である子の後見人、後見監督人を定めたり、遺言の執行者を定めたり、祭祀承継者を指定したりすることもできます。「葬儀はこのようにしてほしい」などと遺言に書いても法律的には無効ですが、遺言自体が無効になるわけではありません。

遺言できる人は満15歳以上で(民法第961条)、また、夫婦など複数の者が同一内容の遺言を同一証書ですることはできません。(民法第975条、共同遺言の禁止)。

 

〇遺言の方式

遺言の方式には「普通方式」と「特別方式」があります。

「普通方式」には、自筆証書、公正証書、秘密証書の3種類があります。(民法第967条)。

「特別方式」は、普通方式の遺言がかなわない特別な状況でなされる遺言で、死亡危急者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言、の4種類があります。(第976~979条)これら以外の方式によるものは遺言として認められません。

 

〇普通方式の遺言

❶自筆証書遺言

遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を全て自書し、印鑑を押したもので、追加、削除、変更の方式も定められています。(民法第968条)特別な費用もかからず、最も簡単な方式ですが、法律の専門家でない場合には不備や不完全である心配もあります。実際、遺言の効力や本人の直筆かどうかは裁判で争われることもあり、確実性の点で問題があります。自筆が条件ですから、ワープロで書かれたものや、コピーは無効とされます。

自筆証書遺言は、死後に家庭裁判所による検認を受ける必要があります。また、封印のある場合は家庭裁判所で開封する必要があります。(民法第1004条)。

❷公正証書遺言

最も安全、確実な遺言の方式です。公証人が遺言者の口述に基づき公正証書として作成するものです。証人2人以上の立ち会いが必要です。(民法第969条)。

公証人に支払う手数料が必要ですが、専門家が作成するので無効のおそれがなく、原本が公証人役場に保管され、家庭裁判所による検認の必要もありません。

❸秘密証書遺言

公正証書遺言は公証人、証人の前で遺言内容を明らかにするものですが、秘密証書は、遺言内容は秘密にしたまま、その封印したものを公証人、2人以上の証人の前に提出し、自己の遺言書であることを証明してもらうものです。(民法第970条)

遺言証書の全文を自書する必要はなく、ワープロでもかまいません。但し、署名し、印鑑を押し、同じ印鑑で封印します。文章の追加、変更、削除は、定められた方式によります。死後、家庭裁判所で開封、検認を受ける必要があります。

 

以下のものは、あくまで遺言者が普通方式の遺言が不可能な、特別な状況にあるときだけに認められる遺言の方法で、遺言者が普通方式の遺言が可能になり6ヶ月生存したときには無効となります(民法第983条)。

 

〇特別方式の遺言

①死亡危急者の遺言

病気などにより死亡間近に迫った者が遺言しようとするとき、証人3人以上の前で口述し、証人の一人が筆記して各証人が承認して著名し印鑑を押したものです。遺言の日から20日以内に家庭裁判所に提出し、家庭裁判所が遺言者本人の真意であると確認しないと効力をもちません(民法第976条)。

②伝染病隔離者の遺言

伝染病のため隔離されて交通が絶たれ、人の行き来のできない場所にいるとき、警察官一人、証人1人以上の立ち会いで遺言書を作成することができます(民法第977条)。

※伝染病以外の理由で行政処分が行われた場合(例えば刑務所内にある者)も同様であると解されています。

③在船者の遺言

船舶中にある者は、船長または事務員1人、証人2人以上の立ち会いで遺言書を作成できます(民法第978条)。

④船舶遭難者の遺言

船舶遭難の場合、船舶中で死亡の危険が迫った者は証人2人以上の立ち会いのもと口頭で遺言できます。但し、証人はこれを筆記、署名、印鑑を押し、家庭裁判所の確認を得ないと効力をもちません(民法第979条)

 

〇遺言の効力と取り消し

遺言の効力と取り消しについて、主なものを記します。

1.遺言は、遺言者が死亡した時点から効力を発揮します(民法第985条)。

2.受遺者(遺産を贈られる人)は、遺贈(死後贈られる財産)を放棄することができますが、催告期間内に承認、放棄の意思表示をしないときは承認したとみなされます。また、いったん承認または放棄したものを取り消すことはできません(民法第986~989条)。

3.遺言者は、いつでも、遺言によって、前の遺言の全部または一部を取り消すことができます(民法第1022条)。

4.前の遺言と内容が重なったり、矛盾するなど抵触する遺言があったときは、後の遺言によって前の遺言が取り消されたものとみなされます(民法第1023条)。また、遺言書を自分の意思で破棄したり、遺贈の目的物を破棄、処分したときも、その部分の遺言を取り消したとみなされます(民法第1024条)

 

〇遺留分

例えば、遺言書に配偶者はあるが、子供も親も兄弟もいないとき、法定の相続人は配偶者1人です。この遺言者に愛人がいて、財産を全て愛人に遺贈すると遺言書に書いたとします。この場合、配偶者が異議を唱えなければ、愛人に財産が全て遺贈されますが、配偶者が異議を唱えれば、財産の半分が相続できます。このように一定の相続人が一定の割合で必ず相続できるように定められたものを「遺留分」と言います。

遺留分は、相続人が親(=直系尊属)だけの場合は3分の1、配偶者や子供の場合は2分の1です。兄弟姉妹には遺留分がありません(民法第1028条)。

相続人が配偶者1人だけのとき、遺言がなければ配偶者が100%相続しますが、前の例の場合は、その2分の1しか請求できません。この遺留分を請求することを「遺贈、贈与の減殺の請求」と言い、相続の開始(死亡時)あるいは減殺すべき贈与または遺贈の事実を知ったときから1年以内に行わない場合、または相続の開始から10年経過すると時効になり、権利は消滅します(民法第1042条)。

つまり遺言者は、相続人が兄弟だけの場合には遺言で全財産を自由に遺贈することを決定でき、相続人が親だけの場合には財産の3分の2について自由に決定でき、相続人が配偶者と子供のときは財産の2分の1について自由に決定できます。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


死後の手続き

死亡直後には、医師などに死亡診断書または死体検案書の交付を受け、死亡地、死亡者本人の本籍地、届出人の現在地のいずれかの自治体に死亡届を提出し、火葬・埋葬許可証の交付をうけます。火葬場で火葬済の証印を受け、墓地または納骨堂に遺骨を安置するときには許可証を提出します。

〇市区町村役場での手続き

1. 国民健康保険加入者⇒葬祭費の申請

2. 老人保健医療受給者⇒老人保険医療受給者証の返還

3. 医療費助成受給者⇒医療助成需給証、医療証の返還

4. 国民年金加入者または受給者⇒死亡一時金、遺族基礎年金、未受給年金などの請求手続き

5. 被爆者援護資格認定書所持者⇒認定書返還などの手続き

6. 公営住宅入居者⇒世帯員変更などの手続き

7. 身体障害者手帳または療育手帳の所持者⇒手帳の返還などの手続き

8. 児童手当、特別給付、児童扶養手当、特別児童扶養手当の受給者⇒受給者の変更または喪失などの届け出

9. 世帯主⇒世帯主変更届

10. 印鑑登録者⇒印鑑登録の返還

〇会社勤務の場合

1. 返還するもの:会社の資料、社員証、バッジ、鍵、健康保険証など

2. 提出するもの:死亡届など必要書類

3. 確認して必要な措置をとるもの:死亡退職金、最終給与、財形・社内預金、団体生命保険、企業年金、健康保険の葬祭費・埋葬料、労災保険、その他

○故人名義の財産の名義変更

1.土地・建物等の不動産⇒司法書士に依頼

2.有価証券(株券、債券など)⇒証券会社に依頼

3.自動車⇒陸運局にて手続き

4.その他(電気、ガス、水道、電話、借地、借家)⇒各相手先

○国民健康保険葬祭費

死亡者が国民健康保険に加入していれば、葬祭費の支給を受けることができます。申請時に持参するものは、保険証、印鑑、喪主の銀行口座で、喪主またはそれに準ずる者が申請しますが、申告しなければ受給できず、期限は死亡後2年以内です。

○健康保険埋葬料

死亡者が健康保険の加入者であれば「被保険者埋葬料」が、死亡者が健康保険の加入者の扶養家族であれば「家族埋葬料」が支給されます。

1.加入者本人が死亡した場合には、「被保険者資格喪失届」を提出しなければなりません。

2.扶養家族が死亡した場合には「被扶養者(異動)届」を提出しなければなりません。

3.加入者本人が死亡した場合には、請求者と本人の関係を示す書類を添付します。請求者が内縁関係ならば生計維持を証明できる書類が必要です。

4.加入者本人が死亡した場合の埋葬料の支給額は標準報酬月額の1ヶ月分(最低保障10万円)、被扶養者の場合は一律10万円となっています。

5.加入者本人が死亡し、その扶養家族がいない場合には「埋葬費」の請求となります。その場合には、埋葬に要した費用の領収書(品名、数量、単価および金額が明記してあること)の添付が必要で、故人の標準報酬月額(最低10万)の範囲内で実費が支給されます。

6.事業主の証明を得られない場合または事業主本人が死亡した場合には、火・埋葬許可証、死亡診断書(死体検案書)の写しを添付します。

7.手続きは事業所(勤務先)を管轄する社会保険事務所で行いますが、所属の健康組合に代行してもらうことができます。

8.死亡後2年以内に申告しなければ時効となり、受給できません。

9.死亡原因が業務上や通勤途上の場合はこれを受けられず、労災保険よりの受給(次項参照)となります。

○労災保険葬祭給付

死亡原因が業務上や通勤途中の場合は健康保険からの死亡給付(埋葬料)は受けられません。労災保険より給付します。

業務災害の場合には「葬祭料」の請求書を、通勤災害の場合には「葬祭給付」請求書を所轄の労働基準監督署へ提出します。

1.葬祭料および葬祭給付の保険給付額は給付基礎日額の30日分+28万円または60日分(給付基礎日額とは、災害発生時の直前の過去3ヵ月の総賃金を総日数で割ったもの)です。

2.請求書には死亡診断書または死体検案書を添付します。

3.業務災害または通勤災害で死亡した場合には、遺族は年金または一時金の請求を行うことができます。

①年金

業務災害⇒遺族補償年金支給請求書

通勤災害⇒遺族年金支給請求書

*年間、給付基礎日額の153~245日分が支給されます。

②一時金

業務災害⇒遺族補償一時金支給請求書

通勤災害⇒遺族一時金支給請求書

*給付基礎日額の1000日が支給されます。

4.労災の遺族への年金、一時金の請求書には、以下のものを提出します。

①死亡診断書または死体検案書の写し

②戸籍謄本(または抄本)

③生計維持を証明する書類など

5.葬祭料、葬祭給付の時効は2年、遺族への年金、一時金の時効は5年となっています。

 

【公的年金の概要】

・.公的年金の種類

公的年金とは、全ての国民が加入している「国民年金」、一般サラリーマンを対象とする「厚生年金」、公務員等が加入している「共済年金」のことです。

1.国民年金

「国民年金」を支払うのは20歳から60歳まで、月額13,300円(平成15年2月段階)。65歳以降に受給する老齢基礎年金は、年額804,200円(40年加入している場合)です。

2.厚生年金

「厚生年金」は、国民年金保険料を含めて、会社と本人が半々で標準報酬月額の17.35%(本人負担半分)を負担するものです。扶養されている妻(20歳以上)は届け出ることにより国民年金の保険料を納める必要がありません。老齢基礎年金に加えて老齢基礎年金が受給できます。

3.共済年金

「共済年金」の受給条件は厚生年金とほぼ同じで、老齢厚生年金に相当するのが退職共済年金です。これに加えて、厚生年金基金に相当する職域年金が加算されます。

・国民年金の号

国民年金の「第1号被保険者」とは自営業者等、「第2号被保険者」とはサラリーマン、OLや公務員で厚生年金や共済年金に加入している人、「第3号被保険者」とは民間サラリーマンや公務員に扶養されている妻、を原則として言います。

 

【遺族給付の概要】

・遺族給付の種類

遺族給付には、国民年金部分の遺族基礎年金(あるいは寡婦年金、死亡一時金)と遺族厚生年金(あるいは遺族共済年金)とがあります。

1.①遺族基礎年金、②寡婦年金、③死亡一時金

故人によって生計をたてていたとき、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金のいずれかを受給できます。

🔴遺族基礎年金が受給できないとき⇒寡婦年金か死亡一時金

🔴寡婦年金が受給できないとき⇒死亡一時金

①遺族基礎年金

[受給資格]

遺族基礎年金を受給できるのは子のいる妻(内縁を含む)か子であり、子とは18歳の誕生日の属する年度末(3月31日)を経過していない子である場合です。

[受給額]

年額804,200円(平成14年度)に子の加算額(2人目まで1人231,400円、3人目からは1人77,100円)がプラスされます。遺族が子だけのときは、1人なら804,200円、2人目は231,400の加算、3人目からは1人77,100円の加算で、これを子の数で割った額が1人分となります。

[支給要件]

被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。但し、死亡した者について保険料納付済期間(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あること。

②寡婦年金

[受給資格]

第一号被保険者(自営業者等)である夫が死亡し、保険料納付期間(免除期間を含む)の合計が25年以上あり、夫が死亡した時に10年以上の婚姻関係のある妻に支給されます。支給期間は妻が60歳になり、妻自身の老齢基礎年金が支給される65歳までの5年間です。

[受給額]

夫の受給できる老齢基礎年金の4分の3の金額

③死亡一時金

[受給資格]

第1号被保険者(自営業者等)が死亡した時点で3年以上保険料を納めており、それまで老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取っていないときに支給されます。  死亡一時金を受け取れるのは、

①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹

のうち順位が先の者、かつ、生計を共にしていた者です。

[受給額]

保険料納付済期間により異なります。

最低で12万円、最高で32万円となります。

2.遺族厚生年金

[受給資格]

厚生年金の被保険者や年金受給者が死亡したとき、遺族に支給されます。但し、死亡した人に生計を維持されていたことが条件で、順位は、①配偶者・子、②父母、 ③孫、④祖父母、となります。また、配偶者が夫の場合、また父母の場合や祖父母の場合は55歳以上であることが条件で、60歳から支給されます。子や孫の場合は18歳の誕生日後の年度末までの支給となります。遺族基礎年金を受給できる資格のある遺族は加算して受給できます。

[受給額]

平均標準報酬月額×1000分の7.125×被保険者期間の月数×4分の3×物価スライド率で計算されます。

[条件]

①厚生年金の被保険者が死亡したとき

②厚生年金の被保険期間中の傷病が原因で退職後に初診日より5年以内に死亡したとき

③1~2級の障害年金を受けている人が死亡したとき(旧制度の障害年金受給者を含む)

④老齢厚生年金の受給者や受給資格者が死亡したとき(旧制度の老齢年金・通算老齢年金受給者を含む)

 

・厚生年金の寡婦加算

厚生年金の被保険者期間が20年以上(40歳以後の加入期間が15年以上でもよい)ある老齢厚生年金受給権者、1~2級の障害厚生年金受給権者、在職中の夫が死亡したとき、子(18歳未満)のない35歳以上の妻は、40歳から65歳になるまで年額603,200円の中高齢加算が遺族厚生年金にプラスして支給されます。65歳以後は妻の生年月日により減額された経過的寡婦加算となります。(但し、遺族基礎年金を受給中は支給停止)

・遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給の選択

妻の厚生年金被保険者期間により、次の3つの選択肢があります。

①専業主婦期間が長い場合 ⇒ 遺族厚生年金+妻の老齢基礎年金

②高収入の女性の場合 ⇒ 妻の老齢厚生年金+妻の老齢基礎年金

③一般的な共働きの女性の場合 ⇒ 夫の遺族厚生年金の3分の2+妻の老齢厚生年金の2分の1+妻の老齢基礎年金

 

・遺族共済年金

公務員などが加盟している共済組合の組合員や退職共済年金の受給者が亡くなった場合には、遺族厚生年金と同様に遺族共済年金が支給されます。18歳未満の子のない妻が受けることができる中高齢加算も同様にあります。支給額は、標準報酬月額に比例した本人の年金額の4分の3が原則となっています。

 

・遺族給付と生計維持条件

遺族基礎年金、遺族厚生年金などの遺族給付は「死亡当時、その人により生計が維持されていたこと」が条件です。

・未支給年金の請求年金

受給者が死亡したとき、未受給の年金が残っていることがあります。死亡後できるだけ早く、未支給年金・保険給付請求書および死亡届を提出します。このとき、年金証書、死亡診断書(死体検案書)、戸籍謄本、住民票、生計維持証明書を添付します。請求者の順位は、①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹、となります。

 

〇銀行預金に関する手続き

通常の払戻伝票に記入して手続きを行います。必要書類は以下の通りです。

1.除籍謄本 除籍謄本で相続人が特定できない場合には原戸籍など

2.印鑑証明 相続人全員のもの

3.相続の証明書類

🔴単純相続用(法定相続分による相続)*最も一般的な相続です。

  • 分割相続用(遺産分割協議による相続)*遺産分割協議書が必要です。
  • 遺言相続用(遺言書による相続)*遺言書が必要です。

【注】債券用別途

4.通帳、証券など被相続人に関するもの

5.実印 相続人代表者のもの

〇郵便局での手続き

貯金、保険の解約は窓口に問い合わせます。

1.相続人を証明する書類

死亡者、相続人全員の記載がある謄本(抄本)

2.同意書

相続する権利のある人全員が代表者に委任する同意書

3.手続きする人(=代表者)の証明書

運転免許証、保険証など

〇死亡保険金の請求に必要な書類

保険会社に問い合わせますが、必要書類には次のものがあります。

1.保険証券(または紛失届)

2.死亡診断書(または死体検案書)

3.被保険者の戸籍謄本(抄本)または住民票

4.請求者の印鑑証明書(相続人全員分)

※指定受取人の請求で保険金300万円以下の場合等は不要です。

5.請求者の戸籍謄本(抄本)

6.保険金請求書

7.代表者選定通知書(但し、指定受取人が2人以上の場合)

8.相続人代表念書

9.受傷事情書(但し、不慮の事故で死亡した場合)

10.交通故証明書(但し、交通事故で死亡した場合)

11.契約内容変更請求書(但し、必要な場合)

12.保険証券再発行請求書(但し、必要な場合)

保険金の受け取り方法には、①利息をつけて据え置く方法、②年金で受け取る方法、③一時金で受け取る方法、の3通りがあります。

〇所得税確定申告、医療費控除申告

死亡者の1月1日から死亡日までの所得税の確定申告は、死亡日(相続の開始を知った日)の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。死亡者が前年の確定申告をしていないときは前年度の確定申告も4ヶ月以内に行わなくてはなりません。

また、年間の医療費が10万円以上の場合には、10万円を超える部分(200万円を限度とする)について医療費控除が適用され、確定申告から控除できます。死亡後の支払い分は相続税申告時に控除できます。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


現在、主として利用されているのは「和型」と言われる三層構造の墓石で、江戸時代に生まれた形式です。最近ではこれに「洋型」と言われる形態が加わっており、部分的ですがオリジナル・デザインの墓石もあります。昔の形態をとどめる五輪塔も一部に見られます。

墓埋法によると、遺体または遺骨を納める場所は「墳墓」と「納骨堂」の2つに分類されます。

➊墳墓

「墳墓」とは個々のお墓のことです。墓埋法に、「墳墓」とは「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」とあり、ここでいう「埋葬」とは「死体を土中に葬ること」つまり土葬のことを言いますから、土葬墓、火葬墓を総称して「墳墓」と規定されています。日本では現在火葬率が99.4%(2000年)ですが、土葬も法律的には認められています。

❷墓地

墳墓を設ける区域が「墓地」で、墓埋法では「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域」と規定されています。(同法の第4条「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」)そのため、墳墓すなわちお墓は勝手に作ることは許されないと決められているのです。また、墓地経営は、事実上、自治体による公営化、財団法人、宗教法人のいずれかでないと認められません。

また、法律的に土葬が認められているとしても、現在では、一部の地域や信仰上の問題など特別な事情がある場合を除いて、土葬は現実的には困難になっています。

❷納骨堂

「納骨堂」とは「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」(墓埋法第2条第6項)です。したがって、寺院、教会といった宗教施設でも、納骨堂の許可を得ていない施設では他人の遺骨を長期的に預かることが出来ません。但し、「他人の委託をうけて」とあるので自分の家族の遺骨を自宅に保管することは違法ではないと解釈されます。

 

○埋葬、改葬

➊埋葬、納骨には許可証が必要

お墓に遺体を埋葬するとき、遺骨を埋蔵するとき、あるいは、納骨堂に遺骨を収蔵する

(=預ける)ときには、死亡届を出した自治体で交付される火葬・埋葬許可証が必要です。

特に納骨の場合には、許可証に火葬済との証印を受けたものが必要で、この許可証を墓地または納骨堂の管理者に提出します。

❷改葬にも許可証が必要

「改葬」とは、いったん納めたお墓または納骨堂から遺骨を他のお墓または納骨堂に移動させることです。この際、遺骨が納められている地の市区町村から「改葬許可証」を受け、移動先の墓地または納骨堂の管理者に提出します。

❸分骨する場合

分骨する場合には、火葬場の管理者の発行する火葬証明書または主な遺骨の収められている墓地または納骨堂の管理者の発行する埋蔵(収蔵)証明書を得て、分骨を収める墓地または納骨堂の管理者へ提出します。

 

○墓地の分類

➊村落共有墓地

村落共有墓地は古くから村落が共有して保持していた墓地を追認したもので、新しく認められることは事実上ありません。

❷寺院境内墓地

寺院境内墓地は、最初に寺院の檀信徒になるという契約があり、檀信徒であるから墓地の使用が認められるという関係にありますので、檀信徒として寺の維持その他の義務を負います。

❸公営墓地

公営墓地は、自治体の条例その他で使用条件が定められ、使用権を取得するものです。

❹民営墓地

民営墓地は、管理者と使用者が対等な契約に基づいて使用権を取得するもので、財団法人や宗教法人などの公益法人が経営する墓地です。

 

○使用権

一般にお墓を取得することを「お墓を買う」と言いますが、厳密にいえば「墓地を使用する権利を取得する」ことです。墓地の土地は墓地の経営主体の所有物件で、利用者にその使用権があり、墓石は利用者の所有物件、となっています。お墓の建立にあたっては、使用権入手費用(一般に「永代使用料」という)、墓石建設費が必要で、このほか継続的に管理料が必要です。使用権の名称が「永代」となっていても、管理料の支払いが一定期間途絶え、承継する縁故者が不在のときは、使用権が消滅し、墓石は撤去され、遺骨などは無縁塔に合祀されます。

改葬するには、一般には、利用者が自ら墓石を処分し、更地にして墓地使用権を返還し、新たな移動先の墓地使用権を取得します。(使用権入手費用は原則として返還されません。)

 

〇お墓の承継

お墓の使用権者が死亡したとき、「お墓を継ぐ」必要がありますが、これを「墓の承継」と言います。お墓は民法に規定された「祭祀財産」という性格をもっており、その継承者は、本人が指定するか、そうでない場合には「慣習により」定め、最終的には家庭裁判所が決します。

子供がいないためお墓の継承者がいないというケースもでてきています。民営墓地では無縁化を避けるため、配偶者や直系のこどもの範囲であれば申請者に承継を認め、後から問題となったら裁判所に判断を委ねる方式をとるケースが増えています。

こうした社会的変化に対応して、永代供養墓(公営の場合「合葬墓」と言う)も出てきました。契約した一定期間は承継者がいなくても墓が存続し、その期間がすぎて承継者がいなければ定められた合祀墓(集合墓)に合祀するという方式が一般的です。また、最初から合祀する形態の永代供養墓もあります。

〇埋骨方法

お墓で、遺骨を納める部分を「カロート」と称しますが、お墓への遺骨の埋葬は、カロートに骨壺単位で納める方式と骨壺から遺骨を空ける方式とがあります。

〇散骨

近年マスコミの話題をなり、関心を深めているのが「散骨」です。遺骨を墓地または納骨堂に納めるのではなく、遺骨を粉末状にして、これを海や山などに撒く方式です。

法律的には、①原型をとどめないよう粉砕する、②他人が嫌がらない場所に撒く、③その他問題が生じないこと、というのが常識的解釈です。なお、散骨にみられるのは自然回帰志向で、墓地でありながら墓石や骨壺などの人工物を一切用いないで遺骨を埋め、花木を植える「樹木葬」なども現れ、注目を浴びています。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940


仏壇・仏具

「仏壇」とは本来、寺院内に仏像(如来、菩薩など)を安置して礼拝をし、供物を捧げたりする、周囲より一段高くなった場所のことです。

中世まで仏壇、その後に「須弥壇」とよばれるようになります。仏教の宇宙観では、巨大な山「須弥山」が宇宙の中心をなし、そこに帝釈天が所在するとされていますが、須弥壇はこの須弥山をかたどったものと言われます。その代わりに、各家にあって本尊や位牌を安置する厨子または宮殿型のものを仏壇というようになりました。鎌倉時代以降、禅宗が広まると共に位牌が流行し、常設の位牌棚となり、位牌の安置所として仏壇が発生したと思われます。各家庭に仏壇が設けられるようになったのは江戸時代中期の寺檀制度確立以降のことです。

仏壇は家の祖先を祀る場であり、家の精神的結合の場であると言われ、単に一般的な先祖供養のためのものではありません。三十三回忌や五十回忌で弔い上げして先祖代々の位牌に合祀するまでは、死者個々の供養の場であり、さらに真宗教団では「お内仏」と言われるように勤行(ごんぎょう)の場でもあります。近年、悲しみにある遺族が仏壇をとおして死者と対話することは、その悲しみを癒していくのに有効であるとして、仏壇をグリーフワークの場として見直す動きもあります。キリスト教のカトリックにおいても仏壇の機能に着目して、「家庭祭壇」が作られています。

 

○仏壇の材料による分類

材料は木ですが、➊塗仏壇(金箔押仏壇、俗に金仏壇)と❷唐木仏壇に分けられます。また新しい仏壇として、合板、プラスティック、アルミなど新しい素材の仏壇(新仏壇)も登場しています。

➊塗仏壇

杉、松、檜などの木に漆塗り箔押し仕上げをし、飾り金具、蒔絵を施した仏壇で、江戸時代以降古くから用いられました。現在では主として浄土真宗で用いられています。京都、大阪、名古屋が産地として有名です。

❷唐木仏壇

歴史的には塗仏壇より新しく、江戸中期以降に大阪を中心に作られ、特に関東大震災後の仏壇需要をきっかけに低価格のものとして量産されました。紫檀、黒檀、檜、桜、松などの無垢材、練り材を用います。造作もシンプルで徳島、静岡、会津、東京、大阪が産地として有名です。

 

○宗派による仏壇の分類

明治時代以降、仏教の宗派が確立すると、本山様式が仏壇に取り入れられるようになり、さまざまな仏壇形式が発生しました。

➊八宗用

仏壇内の本尊、仏具は違いますが、仏壇の形が八宗(天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗)共通のものです。

❷お西用

浄土真宗本願寺派(お西)用の仏壇は、宮殿の屋根は八宗用と同じく千鳥・唐破風ですが、柱は金箔です。

❸お東用

真宗大谷派(お東)用は、宮殿は東本願寺阿弥陀堂を模し、屋根が二重唐破風で、柱は黒塗りです。

❹日蓮正宗

須弥壇の上に厨子を置き、厨子に開閉できる扉がついています。戦後に考案されたものです。

 

○各宗派の祀り方の特徴

➊天台宗

本尊は特別の指定はありませんが、菩提寺の本尊か阿弥陀如来を安置します。脇掛を祀る場合には向かって右に天台大師、左に伝教大姉(最澄)、中段の腋掛の下に位牌を、遠い祖先が向って右、近い祖先が左になるよう順に安置します。

❷真言宗

高野山真言宗では、本尊に大日如来、脇掛は右に弘法大師の絵像、左に不動明王の絵像を、豊山派では本尊に金剛界大日如来、右に光明曼陀羅を、智山派では本尊に金剛界大日如来、右に弘法大師、左に興教大師の絵像を安置します。

❸浄土宗

本尊は中央に阿弥陀如来(立像、座像、画像「南無阿弥陀仏」の名号)、右側に観音菩薩、左側に勢至菩薩、また、脇掛は右に善導大師、左に和順大師(法然)とします。2段目に位牌を、向かって右に遠い祖先、左に近い祖先の順に安置します。宮殿の前に錦や金襴の戸帳を垂らし、前机などにかける打敷は四角形とします。

❹浄土真宗

本尊は阿弥陀如来(絵像、木像、六字名号「南無阿弥陀仏」)、脇掛は右に十字名号    「帰命尽十方無碍光如来」または親鸞聖人の絵像、左に九字名号「南無不可思議光如来」または蓮如上人絵像とします。但し、真宗仏光寺派は右に九字名号、左に十字名号と逆になります。位牌は安置せず、仏壇両側に法名軸を掛けます。

西(本願寺派)と東(大谷派)では一部仏具や位置に違いがあり、鶴亀の燭台は東(大谷派)で使用されます。

➎臨済宗

一般に本尊は釈迦牟尼仏、脇掛は右に達磨大師の絵像、左に観世音菩薩。中段中央に過去帳、その左右に位牌を安置します。

❻曹洞宗

本尊は釈迦牟尼仏ですが、一般に三尊仏(中央に釈迦牟尼仏、右に道元禅師、左に螢山禅師)の絵像とします。本尊の両脇に位牌を、遠い祖先を右に、近い祖先を左に順に安置し、過去帳は下段中央に置きます。

❼日蓮宗

本尊は大曼陀羅(または三宝尊)、その前に日蓮聖人像、脇掛は本尊が三宝尊の場合、右に大黒天、左に鬼子母神とします。日蓮聖人像の両脇に位牌を向かって右に遠い先祖、左に近い祖先の順に安置し、過去帳は下段中央に置きます。

 

○仏具

主な仏具について説明します。

➊三具足と五具足

基本的な仏具で、香炉、燭台、花立て(花瓶)からなります。三具足では、中央に香炉、向かって右に燭台、左に花立てを配します。五具足は、中央に香炉、その両側に燭台、さらにその外側に花立てを配します。燭台一対、花立て一対、香炉で五具足です。一般には三具足を、法事など正式なときには五具足を用います。

❷香炉

線香または抹香を焚くための道具で、耳つきの場合は耳が両側になるように、三つ脚の場合は脚の一本が手前にくるように置きます。

❸線香差し

線香を入れておくための容器を言います。

❹花立て

仏壇に供える花を生ける花瓶で、「華瓶」とも言います。

➎燭台

灯明、つまりロウソクを立てる道具です。

❻打敷(うちしき)

仏壇の前卓を飾る錦や金襴の敷物で、盆や法事など特別なときに用います。一般に長方形ですが、浄土真宗では三角形となります。

❼仏飯器(ぶっぱんき)

飯を盛る器で「仏器」とも言います。

❽茶湯器(ちゃとうき)

お茶を供えるための道具です。

❾高坏(たかつき)

菓子、果物などを供えるための器です。菓子、果物などを供えるときは半紙を敷いて供えます。

❿霊供膳(りょうくぜん/れいくぜん)

仏壇に供える小型の本膳。供えるときは箸が仏前にむくようにし、精進料理にします。浄土真宗にはありません。

⓫燈籠(とうろう)

仏壇の中を明るく照らす道具。「輪燈」や「吊燈籠」など吊り下げる形のものもあります。

⓬鈴(りん)

勤行のときに打つもので、打ち方は各宗派でそれぞれ定められています。鈴を打つ棒は鈴棒、鈴唄、鈴撥などと言います。

⓭香盒(こうごう)

抹香を入れる器で、香炉とセットにして使用されます。

⓮供笥(くげ)

餅、菓子などの供物を載せる道具。餅、菓子などを盛る道具にはこの他「三方」「段盛」などがあります。

 

○数珠

数珠は、珠を使って念仏を唱える回数を数えることから発生しました。珠の数は108個となっており、そこから(2分の1の)54個、(4分の1の)27個、(6分の1の)18個といったものも作られました。「数珠」「誦数」「念珠」とも言います。宗派によりその形は異なりますが、「八宗用」と言われるものもあり、これは真言宗用が基本になっています。

つくば市 葬儀
つくばメモリアルホールでの御葬儀・お葬式や家族葬を
お考えの方はご相談下さい。
お葬式の費用、家族葬の費用
お問合せ 0120-098-940